アスリートのための電解質:ナトリウム、カリウムとその仲間はなぜ必要か
電解質とは何か、腎臓がどのようにそのバランスを保つのか、そして長い距離では水を飲むだけでなく塩分を補うことがなぜ大切なのかを解き明かします。
マラソンの30キロ地点。ペースはまだ保てているのに、ふくらはぎがひどく攣って、いっそアスファルトに座り込みたくなる。あるいは別の光景。暑い自転車レースで、あなたは真面目に真水を2本飲みほした——それなのにゴール手前で吐き気がし、頭がくらくらして、なぜか事態は悪くなる一方だ。どちらの場合も、舞台裏で働いている(あるいは反乱を起こしている)のは電解質だ。これはスポーツドリンクのラベルに書かれたマーケティング用語ではなく、きわめて具体的な生理学である。じっくり見ていこう。
電解質とは何か、そして何をするのか
メルクマニュアルの定義によれば、電解質とは血液などの液体に溶けたときに電荷を帯びるミネラルのことだ。まさにこの電荷こそが、ありふれた塩を、体の働きを支える「電気的な」信号へと変える。
検査で調べる古典的な血液中の電解質のセットは、ナトリウム、カリウム、塩素(クロール)、重炭酸塩である。この参考書によれば、その働きは大きく3つの仕事に集約される。
- 神経と筋肉の働きを調整する。
- 酸塩基平衡を維持する。
- 水分バランスを保つ。
ここでナトリウムが鍵となる役割を担う。ナトリウムは、体内の水分区画(コンパートメント)における正常な水分レベルの維持を助ける。アスリートにとって、これは直接こう翻訳できる。筋肉を収縮させる神経インパルスも、何時間もの運動中の体内環境の安定も、これらのミネラルが正常であることに左右されるのだ。
この4つに、アスリートはカルシウムとマグネシウムを加えておくとよい——これらも電解質であり、筋収縮と神経信号の伝達に密接に関わっている。標準的な「電解質」血液パネルには含まれないが、筋肉がなぜ滑らかに働き、けいれんしないのかを理解するために、頭の片隅に置いておく。
バランスを見張るのは誰か:腎臓
電解質はただ「先に貯め込んでおく」ことはできない。その濃度は狭い範囲にとどまっていなければならず、ここでの主たる指揮者は腎臓だ。メルクマニュアルはそのメカニズムをこう説明する。腎臓は血液から電解質と水をろ過し、その一部を戻し、余分を尿として排出する。要するに、腎臓は毎日、食事や飲み物で取り込むものと、尿で出ていくものとのバランスを取っているのだ。
距離の途中で起きる問題の半分を説明する重要な要素が、浸透だ。ある区画の電解質濃度が高ければ、液体はそちらへ移動し、低ければ液体は外へ出ていく。つまり、体内の水は塩分の後を追うのであって、その逆ではない。ここから単純な結論が導かれる。電解質なしに水だけを流し込むことは、ナトリウムを薄め、液体を必要のない方へ追いやることを意味する。
汗とともに失われるもの
参考書は、バランスが崩れる原因を列挙している。脱水、あるいは逆に水の過剰、一部の薬、心臓・腎臓・肝臓の病気、点滴量の誤りなどだ。健康なアスリートにとって、このうち主要な項目は水である。その不足も、その過剰も、どちらもだ。
汗とともに、私たちはまず何よりもナトリウムを失う(汗の塩辛い味と、キャップにつく白い筋がそれだ)。運動が長く暑いほど、総損失は大きくなる。そしてここで愛好家は典型的なミスを犯す。「とにかく脱水にならないことが大事」と考えて、真水をたくさん飲むのだ。しかし水だけを補ってナトリウムを戻さないと、血中のナトリウム濃度が下がる——この状態は低ナトリウム血症と呼ばれ、ウルトラマラソンでは軽い脱水よりも危険である。
実践への活かし方
- 長い距離で「空」で飲まないこと。 暑さの中でのおよそ1時間から1時間半を超える激しい運動は、飲み物に水だけでなく電解質を加える理由になる。
- 自分の汗を知ること。 衣服や顔につく塩辛い筋は、あなたが多くのナトリウムを失っており、より「塩辛い」飲水プランが必要だというサインだ。
- その場しのぎではなく、計画すること。 自分の水分損失をあらかじめ見積もり(水分損失計算機が役立つ)、レース中に嘘をつく喉の渇きではなく、計画に従って飲もう。
- どんなけいれんもマグネシウムで治そうとしないこと。 けいれんの原因は多い——疲労、ペース、塩分——魔法の一錠で問題は片づかない。飲水と栄養の全体戦略で取り組もう。
- 「水は多いほどよい」という神話は危険だ。 飲みすぎは飲み足りないのと同じくらい現実的で、その結果はより深刻になりうる。
要点
- 電解質は電荷を帯びたミネラルであり、血液中の主要なものはナトリウム、カリウム、塩素、重炭酸塩、そしてアスリートの筋肉にはカルシウムとマグネシウムも重要だ。
- これらは神経と筋肉の働き、酸塩基平衡と水分バランスを調整する。
- バランスを保つのは腎臓だ。ろ過し、一部を戻し、余分を尿として排出し、取り込みと排出を釣り合わせる。
- 体内の水は塩分の後を追う(浸透)——だからこそ、水だけでなく、その中の電解質が大切なのだ。
- 汗とともに失われるのは何よりもナトリウムだ。長く暑いスタートでは、低ナトリウム血症を招かないよう、水だけでなく塩分を補おう。
出典:Merck Manual — Overview of Electrolytes. https://www.merckmanuals.com/home/kidney-disorders/electrolyte-balance/overview-of-electrolytes